ニキビの原因と傾向
大きく赤いニキビや、顔のあちこちで顔を出す小さなニキビなど、「ニキビができると気持ちがふさぎ込んでしまう」という人も多いのではないでしょうか。
ただ、ニキビができるときには、たとえば生理が近かったり排卵日だったりと、何か法則性があると感じたことはないでしょうか。また、寝不足や野菜不足、ストレスがたまっているなども、ニキビが出やすいはず。ニキビができてからあわてるのではなく、冷静にニキビの原因と傾向を分析すると、ニキビを改善・予防する手段も見えてくるはずです。
なお、ニキビの主な原因としては、一般的に次のようなものが挙げられます。
- 過剰な皮脂の分泌により、毛穴がつまってしまう
- 肌が乾燥することによって角質が厚くなり、毛穴がつまる
- ホルモンバランスの乱れ
- 女性ホルモン量の増加
ニキビの原因はもちろん人によって異なります。自分のニキビの原因に合わせたスキンケアを採用することで、その症状を軽減することも可能なのです。
スキンケア化粧品にできること
スキンケア化粧品でニキビケアをすることにより、角質層の水分不足を補い、ニキビの炎症を抑えることができます。また、ニキビによってできてしまった「ニキビ跡」を残さないようにすることができます。
ただし、ストレスによるホルモンの乱れや寝不足は、スキンケア化粧品によるフォローでは限界があります。スキンケア化粧品でケアをすると共に、生活環境を変える努力も行い、根本的に解決するようにしましょう。
なお、さまざまなニキビケア化粧品が出回っていますが、主に使われているのは、次のような有効成分が入ったものです。
有効成分あれこれ
殺菌・抗菌・抗炎症成分
●イオウ
ニキビの炎症の原因となるアクネ菌を殺菌する。
●イソプロピルメチルフェノール
高い殺菌作用をもち、ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌する。
●ピオニン
ニキビの原因となるアクネ菌の繁殖を抑える働きをもつ。
●アラントイン
消炎作用を中心に、皮膚についた傷を正常に治癒する。
●グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)
抗炎症作用と抗アレルギー作用をもち。水溶性のため、主に化粧水に用いられる。
●グリチルレチン酸ステアリル
グリチルリチン酸をさらに酸で分解することにより得られる成分で、強力な抗炎症作用がある。
●オウバクエキス
キハダの樹皮から抽出される成分。抗菌作用をもち、皮脂の過剰な分泌を抑制する。
毛穴引き締め成分
●ハマメリスエキス
収れん(ひきしめ)作用と消炎効果がある。
●クエン酸
毛穴収れん作用、および角質柔軟作用がある。肌のpH値を調節する働きももち、多くの化粧品に配合されている。
●緑茶エキス
主に緑茶から抽出したエキス。抗酸化作用と収れん作用、抗炎症作用がある。
●ホップエキス
ホップから抽出したエキス。収れん作用と殺菌作用がある。
ピーリング効果のあるスキンケア成分
●グリコール酸
角質の柔軟および剥離作用があり、角質ケアを目的とした化粧品に配合される。また、ケミカルピーリング治療のピーリング剤としても用いられている。ただし刺激が強いため、濃度管理が重要。
●サリチル酸
角質を柔軟にして、古い角質を取り除く働きをもつ。また、殺菌して菌の繁殖を防ぐ作用もあるため、化粧水にも用いられている。
【シミ・色素沈着に効くスキンケア成分】
●ビタミンC
美白作用と抗酸化・抗炎症作用がある。ニキビの炎症の抑制や、ニキビ跡の赤みのケアにも有効。
●アルブチン
色素細胞内で、メラニン色素を合成するチロシナーゼ酵素の働きを抑制するため、美白に大きな効果がある。
●エラグ酸
タラの実のサヤ部から抽出される。メラニン色素を合成するチロシナーゼ酵素の働きを抑制するため、シミやそばかす、色素沈着を防ぐ効果があるといわれる。
●オウゴンエキス
コガネバナの根(オウゴン)から抽出される。抗菌作用と抗炎症作用、美白効果がある。
ここに挙げた成分のほか、ニキビ対策用のスキンケア化粧品にはさまざまな有効成分が入っています。気をつけてほしいのは、なかにはニキビを誘発する可能性のあるスキンケア商品もあるということ。
たとえば、「ミネラルオイル」。これは石油を精製して作る無色透明のオイルで、刺激が少なく浸透性が高いので、化粧水や乳液、保湿クリーム、クレンジングオイルなど、さまざまな化粧品に配合されています。
ただ、このミネラルオイルは、ニキビを誘発しやすい成分でもあるといわれています。乾燥肌や敏感肌にいいと思って使用しているアイテムが、ニキビには逆効果となるケースも数多くあります。可能な限り、どのような成分が使われているのかをチェックするようにしましょう。